イランとイラクの関係は、確かに、あまり仲が良いわけではありませんでした。何故ならば、イランとイラクの間には、歴史や民族の違いがありましたし、フセイン政権にあっては、宗教的な対立もあったのです。
イランは、古代ペルシャの血を引くアーリア系が多数を占め、もう一方のイラクは、アラブ系が主流でした。宗教的にも、同じイスラム教でありながら、イランの多数派は、シーア派であり、イラクではシーア派が多数を占めながらも、フセイン政権は、いわば”スンニ派政権”でした。もとより、イランとイラクの間には、敵対する要素があったのです。しかも、両国は、南北部で国境を接しており、国境線争いも続いていたのです。
イランとイラクには戦争が起きやすい状況があったのね、とまあちゃまは理解するのでした。