学校や家庭内で発生した暴力ですと、ついつい、不問に付されがちです。しかしながら、本当は、どこで起ころうとも、暴力は暴力ですので、きちんと対応しなければなりません。
児童や高齢者に対する虐待などは、最も酷い事例です。何故かと言いますと、全く抵抗力のない家族の一員に対して、力のある側が、一方的に暴力をふるうことになるからです。児童や高齢者は、自らの境遇を周りの人に訴えることさえできないのです。しかも、暴力を振るう側は、家庭内であることを、隠れみのに使うのです。
隠れた暴力にもメスを入れないと、一方的に被害にあう人々を救うことはできないのね、とまあちゃまは、思うのです。
よくよく考えてみますと、義務教育の過程で、法律についての教科や科目がないことは、不思議なことです。
本来、法律とは、社会人として生きてゆくため基礎的な知識であるのに、現在の学校では、道徳の時間はあっても法学の時間はありません。もちろん、道徳も大切なのですが、特に刑法は、学校を舞台とした”いじめ”の頻発を見ましても、全員が学んでおく必要があります。恐喝やリンチと言った行為は、明確なる犯罪行為ですので、”犯罪”の自覚を持たせることが何より大事なのです。
今日から学校の始まったまあちゃまは、そんなことを考えながらお家に帰ってきたのでした。
法律を知ることは、とても大切なことです。これから、日本国では、裁判員制度が導入される予定ですが、本当は、義務教育の段階から法律について学んでいないと、無理なのかもしれません（でも、この制度には、たくさんの問題点もある！）。
職業裁判官と裁判員が同等の立場で判断を行い、法律を適用するには、両者が、同じくらいの法律の知識をもっていなくてはなりません。陪審員の場合には、事実の認定のみの判断ですみますが、裁判員は、法律の適用も行いますので、なおさらのことなのです。
裁判員制度を実施するならば、義務教育過程における法学の履修の義務付け（必修）とセットじゃなければいけないのね、とまあちゃまは思うのでした。
考えてみますと、現在、学校では法律を教えていません。人を殺してはいけない、人を傷つけてはいけない、人のものを盗んではいけない、といった基本的な禁止事項は、家庭などの場で、当り前のこととして教えられてきたのです。
しかしながら、昨今、学校を舞台として、殺傷事件や恐喝事件など、法律に触れる犯罪行為が行われる例が数多く報告されています。このことを考えますと、学校の教科に、法律、特に刑法を加える必要があるように思われるのです。
義務教育の段階で、何をすると犯罪になって、どうしてそれが犯罪なのかを学ぶと、もしかすると、少しは、犯罪まがいの”いじめ”がなくなるかもね、とまあちゃまは思うのです。
甘やかしてわがままを許してしまいますと、その子は、あとあと、大人になってからトラブルを起こすことになります。しかも、本人自身は、自分の方が悪い、とは決して思わないので、自分の思い通りにならないことがあるたびに、他人のせいにしてしまうのです。
本人に全く自覚くもなく、反省もないのですから、状況が改善されるはずもありません。そうして、本人の言い分を聞いてみますと、”自分こそが犠牲者”ということになります。”周りが自分に合わせるべきであって、そうしない周りの人の方が悪い！”という論理を振りかざすことになるのです。これでは、周りの人々もたまったものではありません。
本当に、大変なことになるのね！とまあちゃまは、驚いてしましました。
他の人の悪い行為を増長させてしまうのは、何も、相手が怖いから！、という理由だけからではありません。時には、相手に喜んでもらおうとして、善意からこうした行為を許してしまう場合もあります。
例えば、子供かわいさに、ついつい甘やかして育ててしまう親は、世の中にたくさんいます。しかしながら、甘やかされて育つと、何でも自分の思う通りになる！と、勘違いして大人になってしまうこともあるのです。しかも、子供の要望が自分本位であれば、なおさらのことです。かわいさ余った甘やかしは、将来において、その子自身を苦しめることになるかもしれませんし、他の人々の迷惑となるかもしれません。実際の社会の中では、自分の思い通りになることなど、めったにないことなのですから。
まあちゃまは、わがままではないわよね？と、少し心配になってきたまあちゃまは、ゆうちゃまに尋ねてみるのでした。
自分が自分自身であることは、とても大切なことです。よく、かっこのよい人や、有名な人の表面だけをまねることがありますが、いくらまねをしても、その人自身にはなれませんので、これは、つまらないことなのかもしれません。同じような服装をしても、同じようなしぐさをしても、やはり、その人はその人であって、自分自身ではないのですから。
まねに一生懸命になるのは、その方がセンスが良さそうで安心とか、自分もかっこよくなれるといった錯覚からくるものであって、何か、自分に欠けているものを補ってくれるように感じるからかもしれません。もちろん、世の中には、他者の模範になるような人もいますので、見習うことは大切なことです。でも、”見習う”と”まねる”は違うことですので（見習うは、自分自身で学びとること！）、外観のみを同じにしても、自分自身を磨いていることにはならないのです。
まあちゃまは、ゆうちゃまと双子の姉妹ですが、ゆうちゃまはゆうちゃま、まあちゃまはまあちゃまなのでした。
何はともあれ、原因を発見することは、それは、すばらしいことです。なぜって、今度は、解決方法を見つけることができるかもしれないからです。
もし、原因が分かっただけでOKということにしてしまいますと、それは、それまでで終わってしまいます。しかしながら、何か問題があって、それを解決しよう、という場合には、解決方法を考えることこそが、最も重要なことになるのです。そうして、この解決方法の考案こそ、思考力を伸ばす良い機会となりますし、また、磨いてきた思考力の腕試しにもなりましょう。
何かが解決できると、みんなが助かることもあるのね、とまあちゃまは、自分も、何か考えてみようと思うのでした。
