第4次中東戦争は、核戦争の瀬戸際という認識が功を奏してか、イスラエルもまた停戦に応じることになりました。そうして、この戦争で、最も注目すべきことは、アメリカを仲介とした和平交渉が開始されたことです。
アメリカのキッシンジャー国務長官は、イスラエルとエジプト・シリアとの間に立って、「往復外交」と呼ばれる和平交渉にあたりました。この結果、エジプトとシリアは、兵力引き離し協定の締結に応じることになり、ひとまずは、戦争の危機は去ることになりました。この協定の成立は、事あるごとにパレスチナ問題に介入してきたエジプトやシリアが、ようやく、矛を収めた瞬間でもありました。四度に及ぶ中東戦争は、ここに幕を降ろされることになったのです。しかしながら、これで、全ての問題が解決したわけではありません。パレスチナ問題の原点となるイスラエル対パレスチナの対立が、ついに表面に浮かび上がってきたからです。
本当は、これからが大変なのね、とまあちゃまは、覚悟するのでした。