国家を持たない難民で構成されていたパレスチナ・ゲリラは、当然に、他国に活動拠点を求めることになりました。このため、隣国のヨルダンにも、イスラエル攻撃のためのパレスチナ・ゲリラの拠点が築かれことになりました。
この結果、今度は、ヨルダン対パレスチナ・ゲリラの対立が発生してしまいました。何故ならば、ヨルダン国内ののパレスチナ・ゲリラの拠点に対するイスラエルの報復攻撃に、ヨルダンもまた巻き込まれていましたし、また、パレスチナ・ゲリラは、あたかも、ヨルダンにあって、国家内国家のような存在になっていたからです。そこで、ヨルダンは、パレスチナ・ゲリラに対する攻撃を開始し、ついに、ヨルダン内戦が始まります。このとき、パレスチナ・ゲリラに対しては、シリアが兵を派遣して加担することになりました。しかしながら、イスラエルと友好関係にあるアメリカが、シリア攻撃をほのめかしますと、シリア軍は兵を引き、パレスチナ・ゲリラは、援軍を失います。この結果、ヨルダン内戦は、パレスチナ・ゲリラ側の大敗北に終わるのです(「黒い九月」)。内戦に敗れた彷徨えるパレスチナ・ゲリラは、今度は、レバノンに拠点を移すことになりました。
アラブ諸国も一枚岩ではなかったのね、と、事態がさらに複雑化することに、まあちゃまもまた複雑な気持ちになるのでした。
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