国民国家体系とは、一民族一国家を原則としています。しかしながら、過去および現在において、この類型に当てはまらない国家は、たくさんあるのです。
例えば、中東問題と関連する問題として、イスラム帝国があります。これは、現在においてはもう消滅してしまいましたが、民族ではなくて、宗教を枠組みとした帝国という国家形態です。イスラム教は、7世紀にアラビア半島で成立しますが、この宗教は、世俗の権力と結びつき、周辺地域を”剣か、コーランか、納税か”という選択肢を突き付けることにより、征服してゆくのです。結果として、中東からアフリカ北部にかけて、広大なイスラム帝国が出現することになりました。
イスラム帝国は消滅しましたが、宗教的な繋がりは、現在の国際問題に大きな影響を与えているのね、とまあちゃまは、大変だなあと思うのでした。