民族や部族を異にする集団と集団が出会うとき、多くの悲劇が発生しました。しかしながら、一方の集団が他の集団を滅ぼしたり、あるいは、支配したりしない、もう一つのパターンがあります。それは、相互が合意して、境界の線引きをすることです。
このパターンは、一方の集団が他方に対して圧倒的な強さを持たない場合に生じます。戦いや小競り合いを繰り返した結果、双方が厭戦気分となると、”もう闘うのをやめて、お互いの範囲を認め合いましょう”、ということになるのです。もちろん、戦いを優勢に進めた方がより大きな領域を自己の勢力範囲に含めてしまうことはあるかもしれません。しかしながら、少なくとも、双方の集団が、それぞれ一定の地域の中で生きてゆくことができるようになるのです。
境界の線引きは、双方の集団が生きてゆくための知恵なのね、とまあちゃまは、感心するのでした。
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