第一次中東戦争の影響

　それでは、再びお話を中東問題に戻すことにしましょう。

　イスラエルの建国とともに始まった第一次中東戦争は、イスラエルの軍事的な勝利とエジプトとヨルダンの占領に終わりました。この結果、イスラエルの国家として立場は強化されましたが、パレスチナの国家建設は遠のくことになりました。何故ならば、この戦争は、イスラエル対パレスチナ、というよりも、イスラエル対アラブの対立構図になっていましたし、また、双方に、アメリカとソ連という強力な応援団がついたことも、戦いの構図を拡大する結果となりました。パレスチナ問題は、もはや、パレスチナの枠を超えて、中東全域の国際紛争の様相を呈するようになったのです。

　中東問題における当事者の拡大は、第一次中東戦争が大きく原因しているのね、とまあちゃまは、また一つ解決が遅れる原因を見つけたのでした。