国際法は未完の法

　国内法と国際法を比較してみますと、明らかに国際法のほうが整備が進んでいません。このことは、民族紛争や領土問題にも大きく影響します。つまり、国際社会では、法によて解決できる部分が限られているのです。

　例えば、国境条約に規定されたり、先占などによって合法的に獲得された領域につていは、国際法によって保護され、かつ、国際司法裁判所で解決することも可能です。しかしながら、先に述べましたように、国際法には、民族独立とそれに伴う領土画定についての一般的なルールがありません。しかも、このルール制定自体が、個別の国家の国益にかかわりますので、紛争は、政治問題化するのです。いわば、当事者は、戦争か、合意か、の選択を迫られると言えましょう。

　国際社会は、全てが法によって解決できるわけではないのね、とまあちゃまは、国際問題の解決の難しさを再度、確認するのでした。