第一次中東戦争の余波は、思わぬ方向にアラブ諸国を導きます。イスラエルに対する敗北の責任を、現政権の不首尾に求めたアラブの青年たちは、その敗北のエネルギーを国内改革に向けたのです。
この運動は、エジプトにおいて王政の転覆という形で現われます。この改革運動を率いたのが、青年将校であったナギブとアブドル・ガマル・ナセルという人物でした。ナセル等は、第二次世界大戦中にあって、既に、イギリスからの”完全独立”を目指す「革命委員会」を軍の内部で組織し、この目的にそった活動を展開していたのです。当時、エジプトは、1922年2月にイギリスから独立し、公式には王政の独立国となっていました。しかしながら、ナセルは、この王政をイギリスの傀儡と見なしたのです。1952年に、ナセルは、軍を率いてクーデターを決行し、国王ファールークを追放して王政を倒してしまいます。1953年6月には、共和国宣言が公布され、第一代の大統領にナギブが選ばれました。翌年、ナセルは、ナギブを失脚に追い込んで、自ら第二代大統領となるのですが、ナセルは、イギリスやフランスの権益となっていたスエズ運河の国有化を宣言するのです。
どうやら、中東戦争は、エジプトに飛び火しそうね、とまあちゃまは、少しばかり心配です。
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