現時点で考えてみますと、イスラエルは、入植地や占領地を失うことを恐れているかもしれません。しかしながら、長期的に見て、本当に恐れるべきことは、もしかしますと、帰還権の承認による人口比率の逆転なのではないか、とも思うのです。
それは、人口比率の変化が、領域の一部どころか、国家の内部から国ごとひっくり返されてしまう原因となるからです。イスラエルでは、もちろん、現代国家として、民主的な選挙がおこなわれています。ところが、このことは、反面、多数派が、国家に関する決定権を持つことを意味しているのです。ユダヤ人の人口増加率は、それほどには高くはありませんが、パレスチナ人の人口は増加傾向にあり、パレスチナ人の帰還によって、ゆくゆくは、イスラエル内部の人口構成を逆転させることになりましょう。戦争によらずとも、国家が消滅することもあるのです。結果として、国名の変更や親アラブ政策への変更などによって、イスラエルという国は、アラブ世界の中に融解してしまうかもしれません。
さて、この問題を、どう考えたらよいのかしら、とまあちゃまは、帰還権問題の大きさに頭を抱えます。
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