イスラエルの核保有

　ところで、ここで一つ、中東の軍事バランスに大きなインパクトを与えた事実に触れておきたいと思います。それは、イスラエルの核保有です。

　第三次中東戦争のほぼ一年後に当たる１９６８年７月に、核兵器の不拡散に関する条約（NPT）が採択されました。この条約は、核兵器を持たない締約国には核保有を禁じるとともに、核兵器保有国には拡散防止を義務づける内容をもつものです。結局、イスラエルは、この条約に加盟しませんでした。これは、何を意味するのでしょうか。実は、イスラエルは、密かに核兵器の開発をすすめており、第三次中東戦争の頃には、既に、核兵器保有国となっていたのです。つまり、イスラエルは、中東唯一の核保有国となることによって、圧倒的な軍事的優位を確保していたのです。

　イスラエルは、核保有国であったのね、と、まあちゃまが驚くことが、もうひとつ増えてしまいました。