さらに横道にずれて、コソボ問題よりももっと難しい問題を提起するとすれば、それは、国家建設に先んじて、先住民が居住していた場合です。この問題は、もしかしますと、パレスチナ紛争やコソボ問題よりも難しいかもしれません。
ここで言う先住民とは、アメリカ大陸、オセアニア、ロシアのシベリアなどにおいて、国家を建設しないまでも、独自の文化を持つ部族集団を形成してきた人々のことです。複雑かつセンシティヴなこの問題は、幾つかの論点に分けて考えなくてはならないようです。第1に、国際法と国家建設との前後関係、第2に、先住民による先行国家の有無、第3に、国家建設の手段と過程、第4に、過去と現在の人口構成などです。
人類の歴史は、本当は、異なるレベルの時代が、世界各地で同時進行しているので、何か一つの原則で割り切るのが難しいのね、とまあちゃまは、つくづくこの問題の難しさを痛感するのでした。
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