この中東戦争、何とも哀しくなるような出来事なのです。何故ならば、ユダヤ人とアラブ人の双方とも、歴史の悲劇を背負っていたからです。
ユダヤ人の人々は、この第一次中東戦争を”独立戦争”と呼んでいると言います。ディアスポラ以来、キリスト教世界のヨーロッパ社会にあって異端視され、迫害を受けてきたユダヤの人々は、終には、ナチス・ドイツによってホロコーストという受難を受けることになりました。組織的に身を守ることも、抵抗することもなく黙々として強制収容所に連れてゆかれ、多くの人々が殺害されたたという経験は、ユダヤの人々が、国家建設を熱望する強い動機となったのです。この悲劇が繰り返されぬためには、自らを守ることができる強い国家を持たなければならないと、この時、ユダヤの人々は、堅く誓ったことでしょう。国家を持たぬ民族の悲劇は、予想を超えた激しい”独立戦争”を帰結することになったのです。
ユダヤ民族の悲劇は、もう一つの悲劇を生みだしていったのね、とまあちゃまは、溜息をつくのでした。
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