カルト集団の魔の手は、政治のみならず、行政組織にも伸びています。カルト集団の排除という点においては、選挙によって落選させることのできる政治の領域においてのほうが、むしろ簡単です。民主主義の制度さえあれば、国民は、おかしな集団に対してNoをつきつけることができるのです。
しかしながら、行政組織にカルト集団の信者が密かに入り込む、ということになりますと、その排除はそう簡単ではありません。公務員の身分は法律によってあつく保障されておりますので、相当なことがない限り罷免したり、免職にしたりすることができないのです。法律に守られたカルト集団の信者たちは、自らの勢力を行政組織内部に張り巡らしてゆきます。そうして、終には、行政上の権力もまた、国法よりも信仰を上位に置く宗教団体によって利用されることになってしまうのです。言い換えますと、行政サービスもまた、信者を優遇し、特権を与える不公平な制度と化してゆくのです。しかも、もし、ここで、カルト集団の教祖が、信者の公務員に、”国家機密を盗むように”とか、”教団の目的のために政策を変更するように”とかを命じたらどうなるのでしょうか?これは、まさに、公的権力の濫用ですし、国家と国民を裏切る国家反逆罪に当たるかもしれません。政治と結びついた宗教団体が害となる理由は、信者が、必ずしも国家や地方自治体といった公の組織に忠誠心を誓っているのではなく、別の私的な組織に自らの忠誠心を捧げていることにあるのです。当然に、こうした行為は、公務員の倫理に違反するのですが・・・。
もっと、公務員の監視を強めたり、採用に際しては厳正な調査が必要なのではないかしら・・・とまあちゃまは、この国家的な危機への対応策を考えるのでした。
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