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「三善清之さんの「革命勘文」に120年ってみえるけど。ちゃぽ。さっぱりわけわかんない。」
ちゃぽちゃんは、「革命勘文」のなかに、120年という数字を見付けることはできましたが、何のことやら、さっぱりわけがわかりません。
「ちゃぽ。混乱。ゆうちゃま。」
「ちゃぽちゃん。じゃあ。ゆうちゃまが説明するわね。まずね、「四六二六相乗」って書いてあるでしょ。」
「うん。ちゃぽ。」
「その「二六」というのが、2×60=120の意味なのよ。」
「ゆうちゃま。120年って、日本書紀紀年法にとって、とてもだいじな数字だったんだね。それで、平安時代のどんな文書に120年について書いてあるの?」
「それはね。ちゃぽちゃん。三善清之さんの「革命勘文」という文書なのよ。60年に一度づつめぐってくる辛酉年に、大きな政治的事件があるという易緯の説があって、三善清之さんは、これを防ぐために年号を改めるべきと主張されたの。このことについて書いた文書のなかに、120年がでてくるのよ。」
「ちゃぽも、読んでみるね。」
ちゃぽちゃんは、さっそく、「革命勘文」という文書を読んでみることにしました。
「ふむ。ふむ。どれ。どれ。あっ。ほんとうだ。120年について書いてある!」
「応神元年から雄略5年までの間で、実際の経過年数と紀年数の合計との差が120年なのに加えて、応神列と雄略列の実年代との対応関係の差も、120年だなんて、ちゃぽ。びっくり。」
「120年は、日本書紀紀年法にとって、とっても大事な数字なのよ。ちゃぽちゃん。むかし、むかし、平安時代の文書にも、日本書紀の編年には、120年という数字が応用されているって、書いてあるのよ。」
「へぇー!ちゃぽ。もう一度、びっくり。」
ちゃぽちゃん。応神元年は、応神列では、390年、雄略列では270年になることがわかりました。
「じゃあ。ちゃぽちゃん。390年と270年との年差は何年かしら。」
「ええと。ええと。ううんと。390-270だよね。ゆうちゃま。」
「そうよ。ちゃぽちゃん。お計算してみて。」
「もしかしたら、120年!ちゃぽ。びっくり。」
「さて、さて、ちゃぽちゃん。応神列の応神元年は390年だけれども、雄略列では、何年になるのか、わかった?」
「ええと。ええと。ううんと。ちゃぽ。いっしょうけんめいお計算した。」
「それで、ちゃぽちゃん。何年になったの。」
「ちゃぽ。たぶん、270年だと思う。だって、雄略列だと雄略5年は、461年でしょ。それで、ずーと。ずーと。応神元年までたどってゆくと、ちゃぽ、応神元年は270年になると思う。」
「そのとおりよ。ちゃぽちゃん。応神元年は、応神列だと390年だけれども、雄略列では270年になるのよ。」
ちゃぽちゃんは、応神紀が応神列、雄略紀が雄略列という年代列を構成していることは、わかったようです。
「ちゃぽちゃん。2本の年代列が並行していることがわかったついでに、応神列と雄略列は、面白い関係にあるのよ。」
「なに。なに。ゆうちゃま。どんな関係にあるの。」
「それはね。ちゃぽちゃん。応神元年は、雄略列では、何年になるのか計算してみるとわかるのよ。」
「じゃあ。ちゃぽ。計算してみるね。」
「ゆうちゃま。ちゃぽ。積木を多列・並列に積めばいいんだよね。でも、どのように積んだらいいのかなあ。」
「ちゃぽちゃん。さあ。どのように積めばいいのかしら。積んでみて。ちゃぽちゃん。応神元年が390年で雄略5年が461年よ。」
「ええと。ええと。うんと。まだ、よくわからないけど。ゆうちゃま。たぶん。応神紀は応神列で、390年から始まるんだよね。それで、雄略紀も雄略列という年代列があって、雄略5年が461年にとどくんだよね。」
「そうよ。ちゃぽちゃん。」
「ちゃぽ。まず、応神紀の積木と雄略紀の積木を置いてみるね。」
「ちゃぽちゃん。応神元年から雄略5年までの間の紀年数の合計の192と経過年数プラス72との差の120年ぶんの紀年の問題は、どのように説明すれば、つじつまが合うかわかった?」
「うん。ちゃぽ。昨日からずっと、ずっと、とっても考えた。」
「それで。ちゃぽちゃん。ちゃぽちゃんは、どのように説明したらいいかわかったの?」
「うん。ちゃぽ。まだ、よくわからないけれど、たぶん、分散して積みなおせばいいんじゃないかなあ。」
「そのとおりよ。ちゃぽちゃん。積木を分散させて、ちょうど、応神元年が390年、雄略5年が461年になるように積みなおせばよいのよ。」
「うん。ちゃぽ。でも、どのように積みなおしたらいいのかなあ。」
ちゃぽちゃんは、考えこんでしまいました。
「ちゃぽー。応神元年から雄略5年まで、紀年数の合計が192で、経過年数が72年でしょ。差の120年は、どうなっているの。ゆうちゃま。ちゃぽ。混乱。」
「さてさて、差の120年はどうなっているのかしら。ちゃぽちゃん。考えてみて。ちゃんと、ぴったり収まるようになっているのよ。」
「ほんと。ゆうちゃま。」
「ほんとうよ。ちゃぽちゃん。じゃあ、どうしたら、収まるかしら。」
「ええと。ええと。ううんと。ええと。ちゃぽ明日まで、考えてみる。」
「ちゃぽちゃん。じゃあ。応神元年から雄略5年までの紀年数の合計の192年と実際の経過年数の72年との差は、何年かしら。」
「ううんと。ええと。ええと。ちゃぽわかった。120年でしょ。ゆうちゃま。」
「そうよ。ちゃぽちゃん。差は、+120年なのよ。」