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ちゃぽちゃんの都中での大評判は、とうとう帝のお耳にも入りました。
帝:「なになに。ちゃぽちゃんという後の世からやってきたわらわが都におるそうな。」
帝は、さっそく、ちゃぽちゃんのブロマイドを取り寄せてみました。
「なんと。かわゆいではあるまいか。ぜひ、ちゃぽちゃんに会ってみたいものじゃ。」
帝は、すっかり、ちゃぽちゃんのファンになってしまいました。
京の都では、たいへんです。後の世からやってきたちゃぽちゃんは、都中の大人気です。
今日も、都人が、ちゃぽちゃんを一目見ようと、垣間見(かいまみ)に押しかけています。
「きゃわゆいでおじゃるなあ。」
「ほんとうに。ちゃぽちゃんは、かわゆいでおじゃる。あのようにかわゆいわらわを見たことがないでおじゃる。」
「ちゃぽー。人気者みたい。」
さて、さて、まあちゃまとちゃぽちゃんは、古墳で、ちゃぽちゃんの形をしたお人形を見付けました。
そのころ、京の都では・・・。
「まあ。なんて、かわいらしいのじゃ。」
「かわゆいのう。」
何やら都の人々が、噂しあっています。都大路の市をのぞいてみれば、なんとまあ。ちゃぽちゃんグッズであふれているではありませんか。
ちゃぽちゃんキャンディー。ちゃぽちゃんストラップ。ちゃぽちゃんのブロマイドなどなど。どうやら、ちゃぽちゃんが、古墳で発見したのは、ちゃぽちゃんグッズであったようです。
「そうだわ。とっても珍しいちゃぽちゃん型のはにわだから、ゆうちゃまが何か知っているかもしれないわ。ゆうちゃまに聞いてみましょう。」
「えっ。ゆうちゃまって?」
と、ちゃぽちゃんは、ちょっとびっくりです。
「ゆうちゃまってね。まあちゃまのお姉ちゃまよ。日本書紀とか古代史のお勉強しているの。とっても、詳しいのよ。」
「えー。ちゃぽ。びっくり。平安時代にも、ゆうちゃまがいるの。」
ちゃぽちゃんは、古墳のまわりをお散歩してみました。
「あれっ。へんなものがある。」
ちゃぽちゃんは、古墳のまわりに、お人形のようなものを発見しました。
「まあちゃま。見て。見て。」
ちゃぽちゃんは、さっそく、まあちゃまに、そのお人形のようなものを見せました。
「どれ。どれ。あら。まあ。これは、埴輪っていうのよ。でも。これって、ちゃぽちゃんの形してなあい。」
そのお人形は、ちゃぽちゃんの形をしていたのでした。
「さあ、さあ。ちゃぽちゃん。奈良の都の見物はたのしかったわね。それでは、平安京の都へと帰りましょう。」
「うん。ちゃぽ。」
まあちゃまとちゃぽちゃんは、牛車に乗って、京の都へ、ゆるり、ゆるりと、大和路を進みました。
「あれ。まあちゃま。あれを見て。へんなお山があるよ。」
ちゃぽちゃんは、古墳を見付けました。
「ちゃぽちゃん。あれは、古墳というものよ。天皇の御陵や豪族のお墓として、昔に造られたのよ。」
「へーっ。ちゃぽ。びっくり。」
「ちゃぽちゃん。では、古墳も見物してまいりましょう。」
「さあさあ。ちゃぽちゃん。法隆寺の次は春日大社へゆきましょう。」
まあちゃまとちゃぽちゃんは、若草山の春日大社へ参拝にゆきました。
「まあちゃま。みてみて。鹿さんがいっぱいいるよ。」
ちゃぽちゃんはおおよろこびです。
「ちゃぽちゃん。鹿さんは、鹿せんべいが大好きなのよ。(平安時代には、鹿せんべいは、ありませんでした。)」
「じゃあ。ちゃぽ。鹿せんべいを鹿さんにあげてくるね。」
ちゃぽちゃんは、牛車からおりて、鹿さんにおせんべいをあげることにしました。
でもでも。ちゃぽちゃんは、鹿さんに追いかけられてしまいました。
「ちゃぽー。」
ちゃぽちゃんは、法隆寺さんの東院伽藍を見物にゆきました。
「ちゃぽー。救世観音さんて、どんな仏様かなあ。ちゃぽ、中に入ってみよう!」
とちゃぽちゃんは、夢殿の扉の方に歩いてゆきました。そこで、まあちゃまは、びっくり!
「ちゃぽちゃん。扉をあけちゃだめよ!救世観音さんを見ると大変なことが起こるのよ。」
「えーっ。ちゃぽー。せっかく、法隆寺さんまできたのに。救世観音像さんを拝観することができないの。」
「そうよ。でも、どうして救世観音さんが秘仏になったのか、その理由は、ゆうちゃまのブログ「歴史問はず語り」を見てね。ちゃぽちゃん。http://blogs.yahoo.co.jp/nihonshinoiratsume/25868472.html
ゆうちゃまが、『救世観音像 封印の謎』という本を出しているのよ。この本を読めば、救世観音像がどのような仏像であるのかが、わかるはよ。」
ちゃぽちゃんとまあちゃまは、法隆寺さんの金堂にお参りにゆきました。
「ここが、法隆寺さんの金堂よ。とっても、昔の仏像さんが、たくさんあるのよ。」
「みて、みて。ちゃぽちゃん。あれは、四天王像さんよ。」
「どれどれ。まあちゃま。えっー。ちゃぽー。こわーい。」
あらあら、ちゃぽちゃんは、ちょっと怖がりさんのようです。
「ちゃぽちゃん。きょうは、奈良の都を見物にでかけましょう。」
ちゃぽちゃんは、まあちゃまといっしょに、牛車にゆられて奈良の都の見物です。奈良の都は、平安京の前に都であったところです。
「ちゃぽちゃん。まずは、法隆寺へまいりましょう。」
ちゃぽちゃんとまあちゃまは、法隆寺に到着しました。
「ここが、法隆寺よ。ちゃぽちゃん。とっても昔に建てられたお寺なのよ。」
「あれー。ちゃぽ。これって、今の法隆寺と同じだ。」
それもそのはず。法隆寺は、現存最古の木造建造物で、平安時代でも今とほとんど変わらずに建っていたのでした。