80年代のイスラエルの行動は、介入主義であったわけですが、それでは、何故、アラブの側は結束できなかったのでしょうか。
もちろん、エジプトとシリアの国益重視への転換もありましたが、その他にも、幾つかのアラブ分裂の要因がありました。それは、アメリカとの関係によって、間接的にもたらされたものでした。そもそも、ナセリズムの衰退後、アメリカは、サウジアラビア、イラン、クウェート等と友好関係を築いていました。これらの諸国は王制の国家であったために、親ソの社会主義とは距離を置いており、また、有数の石油産出国でした。つまり、アメリカを介して、アラブの有力国が、友好国とはいかないまでも、イスラエルに対して融和的であったのです。
アラブの側も、それぞれの事情や主義主張があって、なかなかまとまれなかったのね、とまあちゃまは、納得するのでした。