『日本書紀』にみえる歴代天皇の非現実的在位年数や長寿は、どのような説によって、説明されてきたのでしょうか。すこし研究史をたどってみましょう。
まず、明治時代から唱えられてきた春秋二倍暦説を、説の一つとして挙げることができます。これは、紀年論争に先立つこと8年前、1881年(明治十三)に、ウィリアム・ブラムセンという研究者によって、”Japanese Chronological Tables”という論題で提唱されました。
日本古代においては、春と秋を1年づつに数えていたという説です。歴代天皇の在位年数と宝算を2分の1の数字とすれば、現実的数字になるというものです。紀年論争においても、氏の説を支持する意見もあり、また、現在でも、二倍年暦を用いて、日本書紀の編年の矛盾について説明を試みておられる研究者の方々がおります。明治以降の紀年研究にたいへんな影響があった説です。
続きは明日ね♡
コメント