N新聞に高速道路橋の鋼床版に疲労亀裂が発生しているとの記事が載っている。この原因関して識者のコメントも載せられている。しかし、拙者はその原因の一つにつては次のように考える。我が国は明治以来技術の輸入国であった。その癖が治らず、自分自身で実験的研究をせずに過去の橋などを参考にして設計してきた。本来、橋などの構造物を新たに設計するには、実物大の実験など多額の研究開発費がかかるものである。それを行わないで設計すれば所要の性能がえられない可能性は高い。米国の例ではあるが、NY市のウィリアムバーグ橋の改修では実物大の床版を作って実験を行い、強度を実証し、その構造を採用している。橋などで新しい構造を採用するには莫大な実験が必要となる。ところが、発注者側にその気持ちがなければ研究費と出所がないことになり、欠陥構造が作られることにもなる。勿論、わが国でも多くの実験は行われてきたが、検討が不十分であったり、知識不足であったり、現実に即していない等のことも起ていたと思われる。最後に付言すると、拙者は随分前から、現在の鋼床版に構造的に欠陥があることを主張してきたが無駄であった。新聞でも構造のことには触れてていない。
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