最近は橋に関する事故が多いようじゃ。米国の落橋、わが国の橋の腐食によるトラブル、さらに、わが国の橋の架橋現場での事故、そして今回のベトナムでの架設中の落橋である。そのほか、新聞で報道されない諸外国の落橋事故は多いことであろう。その原因は多くの現象が合わさっていよう。まず、わが国では、我が生活する社会を豊かにする工学である土木工学がいわゆる3Kであるとマスコミの叩かれ、若い人にとって魅力的な職場でなくなってきている。土木工学は最新の技術とともに、長い年月の経験の積み上げの上に立っている。電気製品などが、10年後に壊れてもだれも文句を言わない。しかし、よく設計施工された土木構造物と分かるのは少なくとも50年後である。中には、二千年以上の寿命のものもある。その上、ローテクと言われ、その大事な部分がおろそかにされている。設計者も、現場の職人の知識が不足し、技術も落ちてきている。橋梁界もその流れにあり、十分な知識がなければ橋は落ちるものである。余談であるが、最近の電気製品も、そのローテクの部分での設計が下手でよく壊れる。我々がよって立っている基盤をよく理解する必要がある。ITだけで技術は成り立っているわけではない。
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