誠に残念なことに、米国でも橋が落ちた。その原因はこれからの調査で明らかになるだろう。およそすべての事故の原因には、遠因から直接の原因まで数広くあるものであるが、直接の原因は、TVの映像を見る限り、橋脚近辺の橋の一部材が切れたか、折れ曲がったと考えられる。折れ曲がるにしては4秒という短時間に落橋下の早すぎるので、部材が切れたと考える方が自然だろう。切れるとすると、まず疲労が原因ということになる。道路橋では疲労を考慮しなくてもよいという観念が長く続いたが、それは、道路橋では乗る自動車の重量が、機関車の100トンと云ったものより小さいので疲労の心配は少ないという事、それまでのリベットで接合してつくられた橋は比較的に疲労が起こりにくいということに起因していると考えられる。ところが1960年代より、リベットから溶接に代わってきた。溶接にはそれなりの長所があるが、設計や施工が悪いと疲労を起こすという欠点がある。この落ちた橋もその年代に作られた橋じゃ。話を始めると長くなるので端折るが、遠因はかって、米国財政が赤字に苦しんだ時期に、予算がなく橋などの維持管理費にほとんど手が回らなかったことだろう。良好な社会基盤構造をどう維持していくかはこれからの国民の課題でもある。我が国はお金がないのに、お金がいる。
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