平和とはどのような状態なのじゃ。拙者の見るところでは、それは、世の中の秩序や、システムが変わらない状態である。たとえば、徳川時代は、一応平和であったが、それは幕藩体制が保たれていた状態でもある。平和であるためには、秩序・システムを変えてはいけないことになる。ところが、列強の世界制覇体制の中に、移行するには平和ではいられない。世界も我が国の世界秩序への参入を許さない。それは、平和に対する罪となる。それからの、長い我が国の苦難の歴史は、その秩序の変革のへの歴史でもある。当時の世界も、まだ秩序が確立したものではないから、世界大戦が二度も起きてしまった。戦後の世界も、一応アメリカを中心とする状態が存続したおかげで、見掛け上の平和が存在した。永遠の平和は、すなわち、ある秩序をどのようにして得られのかという問題については、人類はまだ答えを持っていない。次々善の策ではあるが、各国が民主主義体制となることであろう。それでも、それへの移行は戦争の危険を伴う。共産主義者が、平和主義者のような顔をするが、それは、共産社会へ世界を変えてしまった状態が、平和だと考えるのであって、当然、それへの移行は戦争なくしては考えられない。
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