まず、『日本書紀』を読んで、多くの人々が、まっ先に気付いた問題は、歴代天皇の在位年数や寿命が、非現実的に長いことでした。
例えば、第七代孝霊天皇の在位年数は76年で、宝算(享年)は128歳です。第十代垂仁天皇の在位年数にいたっては、99年で、宝算は140歳です。
江戸時代の儒者や国学者をはじめとして、みなさん首をかしげることになってしまったのです。『日本書紀』が信用されなくなった大きな理由の一つは、一見すれば、誰でも気づく、歴代天皇の在位年数と長寿の謎にあったということができます。
そこで、なぜ、『日本書紀』の歴代天皇の在位年数や宝算は、かくも長く設定されているのか、その理由を説明しようと、多くの説が提起されることになりました。すなわち、理由があって、このように長い在位年数や宝算となっているのではないかと、考えられるようになったのです。
続きは、明日ね♡