イソップ物語の北風と太陽の話は、温和な方が影響を与えられる例としてよく用いられる。しかし、この寓意には、落とし穴がある。北風と太陽の争いと云う事に限定すれば、旅人の外套を脱がせるのではなく、旅人に外套を着せると云う争いなら北風の勝ちである。大体、外套は北風を防ぐために着ているのであるから、北風で脱ぐはずがない。外套を脱がせると云う前提で、人をある結論に誘導している。旅人を苦しめると云う点では、北風も太陽も同じである。多分、イッソップ物語は北国の人の話であろう。しかし、歴史上では、レーガンの強硬政策が、ソ連崩壊を導いた例や、圧力で敵を降伏に導き、平和を取り戻した例は沢山ある。第2次大戦の遠因となったミュンヘンの融和は太陽政策の失敗例である。大体、ニコニコして近づいてくる人には警戒しなければならない。たいていは詐欺師である。
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